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【人事労務ニュース】 3年以内既卒者を採用する際に活用できる奨励金の実施期間が延長となりました

 12月1日より平成25年春入社の新卒採用が始まりましたが、既に大学等を卒業した既卒者については依然として厳しい就職環境が続いています。更に震災や円高の影響もあり、今後も同様の厳しい状況が続くことが予想されることから、厚生労働省では既卒者の就職支援を強化することとしました。
 具体的には、従来より運用されていた既卒者を採用する事業者向けの2つの奨励金(1.3年以内既卒者[新卒扱い]採用拡大奨励金、2.3年以内既卒者トライアル雇用奨励金)について、平成23年度末としていた時限措置が延長されることとなりました。これらの奨励金の概要は以下のとおりです。

1.3年以内既卒者[新卒扱い]採用拡大奨励金
 この奨励金は、平成21年3月以降に大学等(※)を卒業後、安定した就労経験がない者を正規雇用した場合に支給されるものであり、基本の取扱いと東日本大震災特例措置の2つがあります。
※大学、大学院、短大、高専および専修学校などをいう。
■基本(特例措置以外)
[延長内容]
対象労働者につき、平成24年6月末までにハローワークからの紹介を受け、平成24年7月末までに雇い入れた場合に対象となります。
[支給額]
正規雇用から6ヶ月後に100万円が支給されます(※雇用保険適用事業所単位で1事業所あたり1回のみ)。
■東日本大震災特例措置
[延長内容]
ハローワークに震災特例専用求人(※)を提出し、平成25年3月末までにハローワークから対象労働者の紹介を受け、平成25年4月末までに正規雇用として雇い入れた場合に対象となります。
※被災した卒業後3年以内の既卒者に限定した奨励金対象求人をいう。
[支給額]
正規雇用から6ヶ月後に120万円が支給されます(雇用保険適用事業所単位で1事業所最大10回(震災特例対象者10人)まで)。

2.3年以内既卒者トライアル雇用奨励金
 この奨励金は、平成21年3月以降に大学等、高校、中学校を卒業後、安定した就労経験がない者を正規雇用へ向けて育成するため、有期雇用(原則3ヶ月)で雇用し、その後、正規雇用へ移行させた場合に支給されることになっています。1.と同様に、基本の取扱いと東日本大震災特例措置の2つがあります。
■基本(特例措置以外)
[延長内容]対象労働者につき、平成24年6月末までにハローワークからの紹介を受け、平成24年7月末までに雇い入れた場合に対象となります。
[支給額]有期雇用期間(原則3ヶ月)について1人につき月額10万円が支給され、正規雇用から3ヶ月後に50万円が支給されます。
■東日本大震災特例措置
[延長内容]ハローワークに震災特例専用求人を提出し、平成25年3月末までにハローワークから対象労働者の紹介を受け、平成25年4月末までに雇い入れた場合に対象となります。
[支給額]有期雇用期間(原則3ヶ月)について1人につき月額10万円が支給され、正規雇用から3ヶ月後に60万円が支給されます。

 これらの奨励金において、平成21年3月1日から平成22年2月28日までに卒業した者については平成24年3月末までにハローワークからの紹介を受け、平成24年7月末までに雇い入れた場合に支給対象となります。また、平成23年11月20日以前に奨励金対象求人への紹介を受けている場合、平成24年3月末までに雇い入れなければならないため、注意が必要です。
 中小企業にとっては優良な人材を採用するチャンスでもありますので、こうした奨励金の活用を検討したいものです。なお、ご不明点等ございましたら、お気軽に当事務所までお問い合わせください。


■参考リンク
厚生労働省「卒業後3年以内の既卒者を採用する事業主への奨励金の御案内」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/10.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。