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【人事労務ニュース】 年次有給休暇付与における継続勤務の判断基準

 平成18年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、定年年齢である60歳以降も継続して雇用される従業員が増加しています。一般的には再雇用のタイミングで労働条件を見直し、嘱託社員といった雇用形態に変更されることが多いと思われますが、このような場合、年次有給休暇(以下、「年休」という)の取り扱いについて問題になることがあります。そこで今回はこの年休の取り扱いにおける継続勤務の判断について考えます。

 そもそも、年休の付与要件としては、労働基準法第39条で以下の2つが規定されています。

1.雇い入れの日から起算して6箇月間継続勤務したこと
2.全労働日の8割以上出勤したこと


 1.の継続勤務とは、労働契約が続いている期間のことをいいます。通達(昭和63年3月14日 基発150号)によれば、この継続勤務は「勤務の実態に即し実質的に判断すべきもの」とされており、具体的な例が取り上げられています。以下で主だったものを確認しておきましょう。

1.
定年退職者の再雇用
 定年退職者を引き続き嘱託社員等として再雇用した場合には継続勤務とされます。ただし、退職と再雇用の間に相当の期間があり、客観的に労働関係が断続している場合は継続勤務とは判断されません。
2.
パートタイマーやアルバイトの雇用契約の更新
 パートタイマーやアルバイトについて雇用契約の更新が行われ、その契約期間が6ヶ月以上になった場合で、引き続き雇用されている場合には継続勤務とされます。
3.
パートタイマーやアルバイトの正社員登用
 パートタイマーやアルバイトについては、雇用契約を更新した以外に、正社員として登用した場合にも継続勤務と判断されます。
4.
在籍型出向者
 在籍型出向については、出向元および出向先両方での雇用契約がある状態であり、出向元での継続勤務と判断されます。なお、移籍型出向(転籍)の場合は出向元との雇用契約が終了するため、出向(転籍)先のみでの雇用契約が勤続年数と判断されます。
 

 なお、実質的に雇用契約が継続していたと判断された場合の勤続年数の計算は、当然ながら、年休が付与される最初の雇用契約から行います。付与日数にも十分に注意して年休管理を進めましょう。 

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。