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【人事労務ニュース】 厚労省ホームページに開設された労働基準関係情報メール窓口

 厚生労働省は11月を「労働時間適正化キャンペーン」期間とし、使用者団体・労働組合への協力要請、リーフレットの配布などによる周知啓発などの取り組みを集中的に実施していますが、このキャンペーンの実施に併せて、11月1日より厚生労働省ホームページに「労働基準関係情報メール窓口」が開設されました。労働基準法等に関する相談は、従来より労働基準監督署等の窓口などで行われていますが、開庁時間内に相談できないケースがあることから、11月30日までの期間についてメール窓口が設けられ、具体的には、長時間労働、賃金不払残業(サービス残業)などの労働基準法等における問題があった際に通報できるようになっています。

 このメール窓口にどの程度の情報が寄せられ、それが行政運営にどの程度影響を与えるのかは不明ですが、いずれにしても労働時間問題が今後も労務管理における重要なポジションを占めることに変わりはありません。そうした労働時間の問題の中で、もっとも重要な課題は過重労働防止と賃金不払残業(サービス残業)とされており、その対策として、平成13年に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(平成13年4月6日 基発第339号)という重要通達が出されています。そこで以下ではその概要について解説しておきましょう。

 この基準の中で、使用者は労働日ごとに始業・終業時刻を確認し、これを記録することが求められています。企業によっては従業員に出勤簿への押印をさせているようなケースがありますが、これでは始業・終業時刻を把握できていないため、問題があります。よって原則的にはタイムカードなどを利用して、始業・終業時刻を記録し、労働時間を管理していくことになります。

 また、この労働時間の把握は、できるだけ客観的な方法によることが求められていますが、必ずしもタイムカードを使用しなければならないというものではありません。例えば勤怠管理表などの書式を配布して従業員に記入させるような自己申告制による方法も可能とされていますが、この場合については以下の措置を講じておく必要があります。

 1.自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと
 2.自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施すること
 3.労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること

 企業としては、今月の「労働時間適正化キャンペーン」をきっかけにして、自社の労働時間管理の問題点について洗い出すことから取り組みたいものです。
 

■参考リンク
厚生労働省「11月に「労働時間適正化キャンペーン」を実施します」 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/campaign.html
厚生労働省「労働基準関係情報メール窓口」 
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/mail_madoguchi.html


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。