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【人事労務ニュース】 高校生をアルバイトとして雇用する際の注意点

 まもなく夏休みを迎え、高校生をアルバイトとして雇用する企業も増えてくる時季となりました。そこで今回の人事労務ニュースでは、高校生をアルバイトとして雇用する際の注意点を解説しましょう。

 そもそも労働基準法では、満20歳未満の者を以下のように区分しています。

 □満20歳未満の者・・・未成年者
 □満18歳未満の者・・・年少者
 □満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの者・・・児童

 このうち「児童」については、原則として労働させてはならないとされており、多くの高校生が該当する「年少者」についても、一定の規制が設けられています。そのため、その雇い入れにあたっては労働基準法における年少者(以下、「高校生」という)を雇用する際の遵守事項を理解しておく必要があります。具体的には以下の2点について注意が求められます。

(1)年齢確認と年齢を確認できる書類の備え付け義務
 高校生を雇い入れる際において、会社と本人との間で雇用契約を締結することになりますが、その際、併せて親権者等の同意を得ておく必要があります。また、会社には年齢を確認できる書類(たとえば住民票記載事項証明書)を備え付けることが法令で義務付けられていることからも、雇い入れる前に必ず年齢を確認しておくことが求められます。なお、年齢を確認できる書類の備え付けがなされていなかった場合には、罰則(30万円以下の罰金)が設けられています。

(2)労働時間に関する規制

 実際に高校生に仕事をさせる場合、労働時間に関する規制を確認し、その範囲内で勤務させる必要があります。具体的には1日8時間、1週40時間の法定労働時間を超えて勤務させることはできず、また変形労働時間制やフレックスタイム制を適用することは認められていません。

 残業については一般従業員の場合、36協定を締結し、労働基準監督署に届け出ることにより、法定労働時間を超えて時間外労働や休日労働をさせることができますが、高校生の場合、原則としてこれらが禁止されています。ただし、以下のいずれかに該当する場合は、例外として法定労働時間を超えて勤務させることができます。

・1週間の労働時間が40時間以内であり、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮すれば、同一週内の日について労働時間を10時間まで延長可能
・1日8時間、1週間48時間以内であれば、1ヵ月または1年単位の変形労働時間制を適用可能
 また、高校生については、深夜(午後10時から午前5時まで)における勤務についても原則として禁止されています。ただし、交替制で勤務する満16歳以上の男性等、一部に限り認められています。



 このように高校生を雇用する際には様々な法規制が設けられています。その雇用にあたっては、こうした諸ルールを理解し、日々の時間管理をしっかり行っていくことが求められます。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。