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【医療福祉ニュース】 認知症通所型サービスの現状調査

 厚生労働省の社会保障審議会、介護給付費分科会の3月27日の会合において、「認知症の人に対する通所型サービスのあり方に関する調査研究事業(結果概要)」が公表されました。

 これは、認知症対応型通所介護が、認知症の方に対し専門的支援が提供できているか、その役割、実施状況、効果等についてを調査したもので、全国1,539事業所、利用者調査票12,634件、介護者調査票11,967件を集計したものです。


  結果の概要は以下の通り。


(1)認知症の専門的ケアの実践状況

 ほとんどの事業所が認知症の専門的ケアが「実践できている」と回答。他の介護保険サービスを断られた経験のある人の受け皿として利用されているとの報告もありました。


(2)医療的措置が必要な利用者への対応

 医療的措置が必要な利用者を受け入れる事業所は7割で、服薬管理の他、経管栄養、カテーテル、インスリン注射、喀痰吸引等の利用者の受入れも100件以上ありました。今後についても、46.8%の事業所が受入れたいとの意向を示しています。


(3)事業所経営の課題

 利用者数の確保、利用者の欠席、収支バランスを課題とする事業所が6割を超えました。

 利用者数の確保の障害要因としては、「入院や入所となる利用者が多い」、「区分支給限度基準額により、ショートステイや通所介護の利用を優先する家族が多い」、「認知症の症状が重度にならないとケアマネジャーからの紹介がない」等の報告がありました。

 利用者の欠席についても、体調不良に次いで、ショートステイの利用が63.2%と多く、ショートステイやデイが優先されることが認知症対応型通所介護施設の経営の安定には大きな課題となっていることがうかがえます。


(4)家族支援の実施状況

  「個別の介護アドバイス」94.2%、「個別の相談受付」95.6%と高い実施率を誇る一方で、「介護者勉強会の開催」は29.8%にとどまりました。一方で聞き取り調査では、介護者にケアの手法や対応の仕方などを伝えることで家族が認知症に対する理解を深め、心理的負担が軽減することや、本人への対応に変化が見られたとの報告が数多くありました。


 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。