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【医療福祉ニュース】 介護老人福祉施設での医師の緊急対応、過半数が「看取り期の対応」

 今回は、10月16日の社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会において公表された「平成24年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成26年度調査)の結果【速報版】」より、「介護サービス事業所における医療職の勤務実態および医療・看護の提供実態に関する横断的な調査研究」の結果に注目したいと思います。


  同調査は、介護老人福祉施設1,600施設、介護老人保健施設1,600施設、介護療養型医療施設1,506施設、医療療養病床を有する医療機関1,000施設を対象に、医師、看護職員の配置、雇用形態、業務内容、日常的な医療的ケアの実施状況、看取りの実施状況を調査したものです。

 結果の概要は以下の通り。


・オンコール、緊急対応で医師が呼び出された理由

 介護老人福祉施設では「看取り期の対応」が55.4%を占め、その他「バイタルサインの悪化」「発熱」などが他の理由と比べ高い結果となりました。
  介護老人保健施設、介護療養型医療施設、医療療養病床では、「バイタルサインの悪化」や「発熱」で呼び出される割合が、「看取り期の対応」よりも高い結果となっています。

・看取りの実施方針

 介護老人福祉施設および介護老人保健施設では、半数以上の施設で「看取り期に入った利用者に対し、個別に看取り計画を立てて看取りを行っている」との回答となりました。すべての施設類型において、30%以上の施設が「看取り介護を行うための夜間の体制が十分でない」という課題が挙げられています。

・入院・入所者の要介護度

 特に介護療養型医療施設で要介護5の者の割合が半数を占めています。
  医療区分については、医療療養病床において医療区分3の者の割合が約30%。認知症を有する者については、医療療養病床以外においては80%程度を占めていました。

・最も適切と考えられる療養の場

 介護老人福祉施設、介護療養型医療施設、医療療養病床ともに自施設類型が適切との割合が多い結果となりましたが、介護老人保健施設においては、「介護老人福祉施設」が34.8%を占め、「自宅」(22.9%)や「介護老人保健施設」(26.0%)が適切と考えられる者の割合よりも高くなっています。

・介護療養型医療施設の病床転換意向

 全ての病床について転換を予定している医療機関が10.0%を占めています。転
換の意思決定において必要な要素は、「転換後の経営状況・採算性」「現在の介護療養病床の患者の医療ニーズ」「近隣地域の医療および介護のニーズ」等の割合が高く、50%を超えていました。


  調査結果の詳細は、以下のサイトでご覧いただけます。

厚労省「第6回社会保障審議会介護給付費分科会介護報酬改定検証・研究委員会資料」

厚労省「資料1−5 (5)介護サービス事業所における医療職の勤務実態および医療・看護の提供実態に関する横断的な調査研究事業(速報版)(PDF:442KB) 」