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【人事労務ニュース】 6割の従業員が抱える仕事や職業生活への強い不安

 近年、過重労働や仕事の精神的な負荷により従業員がメンタルヘルス不調に陥り、休職したり、更には精神障害の労災申請を行うようなケースが増加しています。先日、厚生労働省は「平成24年 労働者健康状況調査」を発表し、このなかで労働者に精神的ストレス等について調査していますので、今回はこの内容をみていくことにしましょう。

1.仕事や職業生活に関する不安、悩み、ストレスについて相談できる人の有無等
 この調査の中で、仕事や職業生活に関する不安、悩み、ストレスについて相談できる人の有無を聞いていますが、「相談できる人がいる」と回答した労働者の割合は90.0%(平成19年調査89.7%)となっています。このうち、「相談できる人がいる」と回答した労働者が挙げた相談相手(複数回答)としては、「家族・友人」が86.7%ともっとも多く、次いで「上司・同僚」が73.5%となりました。

 次に相談の有無については、「実際に相談した人がいる」と回答した労働者の割合は73.8%となっており、実際に相談した相手(複数回答)としては「家族・友人」が82.1%ともっとも多く、次いで「上司・同僚」が66.9%となりました。

 多くの人は相談できる人がいると回答している一方で、10%の人はどこに相談すればよいかが分からない状況があることを考えると、積極的にコミュニケーションをとり、大きな問題になる前に解決できる仕組みづくりが必要になります。

2.仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレス
 この調査では、1.の他に仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄について聞いており、その事項が「ある」と回答した労働者の割合は60.9%と6割を超える結果となりました(平成19年調査58.0%)。また、強い不安、悩み、ストレスを感じる事柄の内容(3つ以内の複数回答)をみてみると下表のような結果となり、「職場の人間関係の問題」が41.3%(同38.4%)がもっとも多く、次いで「仕事の質の問題」が33.1%(同34.8%)、「仕事の量の問題」が30.3%(同30.6%)となっています。

<表> 仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスの有無及び内容

 今回の調査結果により労働者の6割が仕事や職業生活に強い不安を感じていることが分かりました。仕事であるため、すべての不安、悩み、ストレスを解消することは難しいかも知れません。しかし、それがなるべく弱く、小さくなるように、企業としては定期的に職場で上司や人事担当者とキャリア面談を設けたりすることで、不安等の解消に向けた具体的な対策をとることが望まれます。

■参考リンク
厚生労働省「平成24年 労働者健康状況調査」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/h24-46-50.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。