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【人事労務ニュース】 4月より発行されることになった仮基礎年金番号

 国民年金および厚生年金では、年金記録を基礎年金番号で管理し、年金額の支給決定等の手続きを行っています。この基礎年金番号は、適正な管理を目的とし、1人の年金記録に対し、1つの基礎年金番号で管理することとなっています。しかし、転居、就職や転職の際に基礎年金番号の申し出がなかったこと等により、複数の基礎年金番号が発行され、年金記録が分かれて管理されている状態が発生してきました。全面的な解決に至っていない「いわゆる消えた年金記録問題」の原因の一つは、この複数の基礎年金番号の発行にあるとされています。
 

1.仮基礎年金番号の形式と取扱い
 今回、このように年金記録が分かれて管理されることを防ぐために、平成25年4月より、既に基礎年金番号が発行されている可能性のある人には、仮基礎年金番号を発行することになりました。この仮基礎年金番号は、上4桁が「990X」から始まる番号とされ、他の基礎年金番号とは区分して発行されます。この仮基礎年金番号を利用することで、様々な機会を通じて本来の基礎年金番号に年金記録を統合することになっています。

2.厚生年金保険適用事業所での留意点
 厚生年金保険適用事業所では、通常、被保険者となるべき従業員が入社する際に、年金手帳を提出させ、基礎年金番号を確認し被保険者の資格取得手続きを進めることになります。この際に、年金手帳の紛失等により、基礎年金番号が分からないときには、運転免許証等で本人確認を行い、資格取得届と年金手帳再交付申請書を提出することになります。

 年金事務所では、提出された再交付申請書により、基礎年金番号を特定することになりますが、特定できず、氏名、性別および生年月日の3つから既に基礎年金番号を持っている可能性がある場合には、仮基礎年金番号を発行します。この場合には、資格取得確認および標準報酬決定通知書で仮基礎年金番号が通知されると共に、被保険者本人には基礎年金番号確認のお願いが送付されることになります。

3.仮基礎年金番号と年金の裁定請求
 仮基礎年金番号は、本来の基礎年金番号とほぼ同様の取扱いとなりますが、既に基礎年金番号を持っている可能性が高いため、そのままの状況では年金給付の裁定請求はできません。裁定請求の際には、調査の上、本来の基礎年金番号に年金記録を統合してから年金の裁定請求を行うこととなっています。また、年金手帳の再交付申請を行う場合であっても年金手帳は交付されないことになっていますが、一定の期間を過ぎても仮基礎年金番号のままの人には、本来の基礎年金番号が確認されるまでの間、使用する年金手帳を発行することになっています。

 今後、基礎年金番号はますます重要度を増してきます。従業員には年金手帳を確実に保管すること、また、基礎年金番号の確認があった場合には、確実に回答をしておくように周知しておきましょう。

[参考リンク ]
日本年金機構「基礎年金番号・年金手帳について」
http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=5150

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。