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【人事労務ニュース】 10月1日に施行される改正労働者派遣法のポイント

 リーマンショックの際、「派遣切り」という言葉が生まれましたが、それ以来、派遣労働は不安定な雇用の象徴となっています。このような背景から、派遣労働者の雇用の安定を図り、派遣労働者を保護するため、改正労働者派遣法が成立し、平成24年10月1日に施行されることとなりました。そこで今回は、改正労働者派遣法のポイントについて解説します。

1.押さえておくべき改正労働者派遣法のポイント
 今回の改正の主なポイントは以下の4点にまとめられます。
(1)日雇派遣や30日以内の短期派遣を原則禁止すること
(2)グループ企業内へ派遣する労働者の割合を8割以下とすること
(3)雇い入れの際、派遣労働者に派遣料金を明示すること
(4)違法派遣の場合には、派遣先が派遣労働者へ労働契約を申し込んだものとみなすこと
 これらのうち、(1)から(3)は平成24年10月1日に施行され、企業にとって特に大きな影響が予想される(4)については、3年後の平成27年10月1日から施行されることとなりました。

2.特に大きな影響が予想される「労働契約申込みみなし制度」
 労働契約申込みみなし制度とは、派遣先が違法派遣であることを知りながら派遣労働者を受け入れている場合には、派遣先が派遣労働者に対し労働契約を申し込んだものとみなすという制度です。その結果、派遣労働者が派遣先と直接労働契約を結ぶことを希望した場合には、その派遣労働者を直接雇用しなければならないということになります。なお、違法派遣とは、派遣可能期間を超えて派遣労働者を受け入れていた場合や、無許可の派遣業者から派遣労働者を受け入れることなどを指します。派遣先が違法派遣だと知らず、また、違法派遣であることを知らなかったことに過失がない場合には、この制度の適用は除外されることになっています。 

 派遣労働者を受け入れている企業では、その業務内容や指揮命令、派遣期間が適正であるか、派遣元が無許可でないかなど、再度確認したうえで労務管理を行っていくことが求められます。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。