【人事労務ニュース】 高齢者や障害者を雇入れた際に支給される助成金
雇用のミスマッチが大きな社会的問題となっていますが、中でも高齢者や障害者などの雇用の確保は国の労働政策において最重要の課題と位置付けられています。そこで厚生労働省では、こうした就職が難しいとされる人を新しく雇入れた際に事業主に支給する助成金制度を設けています。今回は、それらの中で特に活用がし易いとされる特定求職者雇用開発助成金(以下、「特開金」という)について取り上げます。
1.制度概要
特開金は主に障害者や高齢者、母子家庭の母等の就職が難しいとされる人を、新たに継続雇用した事業主に支給される助成金です。助成金を支給することで、これらの人の雇用機会を増やすことを目指しています。2.支給対象となる事業主の要件
特開金が支給されるための主な要件は以下の3つです。
(1)雇用保険の適用事業主であること
(2)対象労働者をハローワーク等の紹介により、
継続して雇用する労働者として雇入れたこと
(3)雇入れ前後6ヶ月間に解雇等がないこと3.支給対象となる労働者
特開金の支給対象となる主な労働者は以下の通りです。これら以外の詳細な対象者は参考リンクから確認することができます。
(1)60歳以上の65歳未満の高年齢者
(2)障害者
(3)母子家庭の母4.支給額
支給される金額は下表のとおりです。なお、全額一括で支給されるのではなく、最大4回に分けて支給されます。
対象労働者(一般被保険者) 支給額 大企業 中小企業 短時間労働者以外 (1) 高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 50万円 90万円 (2)重度障害者等を除く身体・知的障害者 50万円 135万円 (3)重度障害者等※1 100万円 240万円 短時間労働者※2 (4)高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等 30万円 60万円 (5)身体・知的・精神障害者 30万円 90万円 ※1 重度身体・知的障害者、精神障害者、45歳以上の身体・知的障害者
※2 週当たりの所定労働時間が20時間以上30時間未満の者5.支給申請
助成金の支給を受けるためには、6ヶ月ごとに区分された対象期間を経過するごとに事業所の所在地を管轄する労働局長に申請を行う必要があります。その申請期間は、申請が可能となる日から2ヶ月間となっています。
特開金は、自社で独自に募集を行って労働者を雇入れた場合や、募集以前に入社の約束があったような場合には支給の対象となりません。ハローワーク等の紹介によって雇入れなければならないことに注意が必要です。なお、本助成金の詳細な内容や手続きに関しては、ご遠慮なく当事務所までお問い合わせください。
[参考リンク]
厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金」
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/kyufukin/c02-4.html