お知らせ

【人事労務ニュース】 留学生など外国人労働者を雇用する際の注意点

 最近、コンビニエンスストアや飲食店などで外国人の店員を見かけることが多くなっており、身近なところで外国人労働者が増加していることを実感します。このように外国人を雇い入れる際には、出入国管理及び難民認定法(以下、「入管法」という)などによる制限が設けられています。そこで以下では外国人労働者を雇用する際の注意点について確認しておきましょう。

1.外国人を雇い入れる際には就労が認められるかの確認が必要
 外国人は入管法で27種類の在留資格に分類されており、その在留資格に応じて日本国内での活動が認められています。この在留資格を、就労活動の制限の観点からみると以下の3つに大きく分類されます。

(1)資格の範囲内で就労活動が認められる在留資格(18種類)
 外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術、人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、技能実習、特定活動(ワーキングホリデー、EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士、ポイント制等)

(2)原則として就労活動が認められない在留資格(5種類)
 文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在
※留学および家族滞在の在留資格は、地方入国管理局で資格外活動の許可を受けることでアルバイト等の就労活動を一定の範囲内で行うことができます。

(3)就労活動に制限がない在留資格(4種類)
 永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者

 外国人は在留資格の範囲内で、定められた在留期間に限って在留活動(就労等)が認められています。そのため事業主としては、外国人を雇い入れる際には、パスポートや在留カード等で在留資格と在留期間を確認しておく必要があります。特に、平成24年7月から導入された新しい在留管理制度により、この在留カードを確認することで就労できるか否かの判別が容易になりました。

【在留カードを確認する際のポイント】
(1)在留カード表面の「就労制限の有無」欄の確認
 「就労不可」の記載がある場合は、原則就労することはできません。
(2)在留カード裏面の「資格外活動許可」欄の確認
 上記(1)で「就労不可」であっても、裏面の「資格外活動許可」欄に以下のいずれかの記載がある場合は就労することが可能です。ただし、就労時間や就労場所に制限が設けられていることに注意が必要です。
 ・許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)
 ・許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動) 

 

2.外国人の雇い入れ、退職の際には届出が必要
 平成19年10月より、すべての事業主は外国人労働者(特別永住者および在留資格「外交」・「公用」の者を除く)を雇い入れる際、もしくは外国人労働者が退職する際に、その外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等を確認し、公共職業安定所を通じて厚生労働大臣へ届出を行う義務が課せられました。その届出の方法については対象となる外国人労働者が雇用保険の被保険者であるか否かによって異なっており、具体的には以下の取扱いが求められています。

(1)雇用保険の被保険者の場合
・雇用保険被保険者資格取得届または喪失届の備考欄に、在留資格、在留期間、国籍・地域等を記載して届出を行います。
・届出期限は雇用保険被保険者取得届もしくは喪失届の提出期限と同様であり、雇い入れの場合は翌月10日までに、退職の場合は翌日から起算して10日以内となっています。

(2)雇用保険の被保険者ではない場合
・専用の届出様式に、氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域等を記載して届出を行います。
・届出期限は雇い入れ、退職の場合ともに翌月末日となっています。

 これらの届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合には、指導・勧告の対象になるとともに30万円以下の罰金の対象にもなります。

 近年は外国人の不法就労が大きな社会問題となっており、数年前から法務省および厚生労働省で取締りが強化されていることからも、事業主の方で在留資格等を確認し不法就労の防止を図っていくことが求められます。

■参考リンク
法務省入国管理局「新しい在留管理制度がスタート!」
http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_1/index.html
厚生労働省「「外国人雇用状況の届出」は、全ての事業主の義務であり、外国人の雇入れの場合はもちろん、離職の際にも必要です!」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/gaikokujin-koyou/

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。