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【人事労務ニュース】 労基署是正指導により支払われた割増賃金支払額は前年度より減少

 昨年末に、厚生労働省より「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成24年度)」が公表されました。これは、平成24年4月から平成25年3月までの間に労働基準監督署等による定期監督および申告に基づく監督等により、残業に対する割増賃金が不払になっているとして是正指導されたもののうち、その支払額が1企業当たり合計100万円以上となった事案をまとめたものです。その結果は、以下のようになっています。 

1.是正企業数等の概況
・是正企業数:1,277企業(前年度比 35企業の減少)
・対象労働者数:102,379人(同 14,623人の減少)
・支払われた割増賃金の合計額:104億5,693万円(同 41億4,264万円の減少) 
・支払われた割増賃金の平均額:1企業当たり819万円、労働者1人当たり10万円 
※是正の対象となった企業のうち、1,000万円以上支払った企業数は178企業

2.業種別是正数と動向
 これを業種別に見てみると、企業数、対象労働者数、支払われた割増賃金額すべてにおいて商業がもっとも多く、次に製造業が続いています。今回の発表資料では前年度よりも企業数、対象労働者数、支払われた割増賃金額すべてにおいて減少となりましたが、依然として、労働局等へ労働者やその家族から長時間労働やサービス残業に関する相談が寄せられており、その情報が寄せられた事業場等に対して重点的に監督指導が実施されています。

 企業としては過重労働対策としての労働時間短縮が大きなテーマとなっていますが、対策を強化し過ぎることで、労働者が適正に労働時間を申告できず、いわゆるサービス残業を助長する結果を招くようなことは避けなければなりません。改めて労働時間管理を徹底し、適正に割増賃金を支払っていくことが求められます。

■参考リンク
厚生労働省「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成24年度)」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/chingin-c.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。