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【人事労務ニュース】 労働局等への労働相談のうち相談内容件数のトップとなった「いじめ・嫌がらせ」

 先日、厚生労働省より「平成24年度個別労働紛争解決制度施行状況」の集計結果が発表されました。そもそも個別労働紛争解決制度とは、企業組織の再編や人事労務管理の個別化等に伴い、労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間の紛争が増加したことから、その紛争について実情に即した迅速かつ適正な解決を図るためにできた制度です。具体的には、都道府県労働局長の助言・指導制度、紛争調整委員会のあっせん制度等があります。

 今回の厚生労働省の発表結果をみると、平成24年度の総合労働相談件数は1,067,210件と前年度比で前年比3.8%の減少となりましたが、5年連続で100万件を超え、高止まりの状況が続いています。また、労働基準法上の違反を伴わない解雇、労働条件の引下げ等のいわゆる民事上の個別紛争に関する相談が254,719件(前年度256,343件)と、依然として多くの相談が寄せられています。

 次に直近3年度の主な個別紛争の動向をみると下図のとおりとなります。今回、「いじめ・嫌がらせ」に関する相談がトップとなり、前年度比12.5%増の51,670件となっています。注視すべき点としては、他の相談(解雇、労働条件の引下げ、退職勧奨)が前年度より減少する中で、「いじめ・嫌がらせ」のみが増加しているという点です。この「いじめ・嫌がらせ」は、近年、職場で問題視されているパワー・ハラスメントにも関係しており、管理職向けの研修を実施したり、社内に相談窓口を置くなどして、未然に問題を防ぐ体制づくりをとっておくことが求められます。

■参考リンク
厚生労働省「平成24年度個別労働紛争解決制度施行状況」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000339uj.html

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。