お知らせ

【人事労務ニュース】 助成率引き下げ等が実施される雇用調整助成金

 雇用調整助成金は、経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用を維持するために、労働者に休業、教育訓練または出向をさせた場合に、休業手当などの事業主負担相当額の一定割合が助成される制度です。リーマンショックの際には度重なる要件緩和や支給率の引き上げが行われ、企業の雇用維持に大きな役割を果たしました。この助成金ですが、4月1日から助成率等の引き下げや特例要件の終了が行われる予定となっていますので、以下ではその内容を確認しておきましょう。

1.助成率の引き下げ
 これまで引き上げが行われていた助成率が、以下のとおり引き下げられます。

[現行]
 大企業:3分の2(4分の3)
 中小企業:5分の4(10分の9)
 ( )内は労働者の解雇等を行わない場合、障害者の場合の助成率です。

[平成25年4月1日以降の判定基礎期間から]
 大企業:2分の1
 中小企業:3分の2
 ※労働者の解雇等を行わない場合、障害者の場合も同様の助成率となります。

2.教育訓練(事業所外訓練)の助成額の引き下げ
 教育訓練(事業所外訓練)を実施したときの1人1日当たり加算額が以下のとおり引き下げられます。なお、事業所内訓練の内容は変更されず、大企業:1,000円、中小企業:1,500円のままとなります。

[現行]
 大企業:4,000円
 中小企業:6,000円

[平成25年4月1日以降の判定基礎期間から]
 大企業:2,000円
 中小企業:3,000円

3.円高の影響による特例の廃止 
 これまで円高の影響を受けた事業主には、生産量要件を緩和し、「経済上の理由により、最近1ヶ月の生産量、売上高などがその直前の1ヶ月または前年同期と比べ 、原則として5%以上減少している、または減少する見込みであること」という特例が設けられていました。この特例は平成25年3月31日で終了し、平成25年4月1日以降に助成金の対象期間を設定する(利用を開始する)すべての事業主は、原則である「経済上の理由により、最近3ヶ月の生産量、売上高などが、前年同期と比べ 10%以上減少していること」という要件が適用されます。

 なお、1および2の変更について、岩手県、宮城県、福島県の事業所は、平成25年10月1日以降の変更となります。また、これまで中小企業について「中小企業緊急雇用安定助成金」とされてきた制度が「雇用調整助成金」に統合されることとなっています。

 この雇用調整助成金には、他にも支給要件がありますので、申請を検討されている方は当事務所までお気軽にご連絡ください。


 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。