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【人事労務ニュース】 「名ばかり管理職」その判断のポイント

 数年前、日本マクドナルドの裁判を契機として、「名ばかり管理職」問題が大きな注目を浴びました。それ以来、労働基準法第41条の管理監督者(以下、「管理監督者」という)の範囲についてのトラブルが増えています。そこで今回は、管理監督者の判断基準についてとりあげます。

1.労働基準法の管理監督者とは
 労働基準法で規定する管理監督者とは、部長や工場長等、労働条件の決定その他労務管理に関し経営者と一体的な立場にある者であって、労働時間、休憩及び休日に関する規制の枠を超えて活動することが要請せざる得ない者とされています。

2.管理監督者の判断基準
 1.の労働基準法の定義では具体的にどのような者が管理監督者となるのかの判断は難しいでしょう。より具体的な判断基準については、平成20年4月1日付け基監発第0401001号の通達で以下のように定められており、管理監督者に該当するか否かは、これらの基準に基づき総合的に判断されることになっています。


(1)経営者と一体的な立場であるといえる重要な職務内容、責任を担っており、それに伴う権限が付与されているか。
(2)現実の勤務態様が労働時間等の規制になじまないものとなっているか。
(3)賃金等の待遇面では、基本給、役付手当等において、その地位にふさわしい待遇がなされているか。また、ボーナス等の一時金の支給率、その他算定基礎賃金等についても役付者以外の一般労働者に比し、優遇措置が講じられているか。

 管理監督者に該当しない場合には、当然ながら労働基準法で定める労働時間等の規制を受け、時間外割増賃金や休日割増賃金の支払いが必要となります。管理監督者でないと判断された場合には、未払い残業代等の支払いを命じられるなどの大きなトラブルに繋がることとなりますので、その前に、自社の管理監督者の範囲に問題はないか、見直しておきましょう。なお、この内容について具体的な相談があれば弊事務所までご連絡ください。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。