【労働経済】 平成29年版厚生労働白書を公表 「社会保障と経済成長」をテーマに分析
厚生労働省から、今月24日、「平成29年版厚生労働白書」が公表されました。
今年の白書は2部構成となっており、そのテーマと概要は次のとおりです。
●【第1部】テーマ「社会保障と経済成長」
国民生活の現状を所得や賃金の長期的な動向から分析するとともに、社会保障が果たしてきた役割や経済成長との関係などを整理。また、成長という視点から見た国民生活の安定への取組や就労と所得向上の支援などについて紹介。
●【第2部】テーマ「現下の政策課題への対応」
子育て、雇用、年金、医療・介護など、厚生労働行政の各分野について、最近の施策の動きを整理。
毎年異なるテーマでまとめている第一部は「社会保障と経済成長」と題し、成長という視点から社会保障の在り方を考えるための基礎資料が提示されています。
厚生労働省では、この白書が、社会保障について将来の在り方を考え、議論を深めていただくきっかけとなることを期待しているとのことです。
なお、報道機関では、次の部分がしきりに取り上げられています。
・ここ20年の変化をみると、世帯主が40歳代の世帯では、所得分布のばらつきは大きく変わらないが、世帯総所得300万円未満の低所得世帯割合が増加し、所得分布が全体に低い方へシフト。所得の低い単独世帯やひとり親世帯の増加などが背景。
・高齢者世帯では1世帯当たり平均総所得金額はほぼ同じで、中央値が増加。低所得世帯割合の減少や中所得世帯割合の増加により、所得分布のばらつきは縮小。公的年金制度の成熟化が影響。
このような状況を受け、次のように総括しています。
・直近では、現役世代でも世帯所得や賃金の改善傾向が見られてきているが、引き続き、現役世代の各方面にわたる所得向上支援や全世代型の社会保障への転換を推進することが必要である。
確かに、世代間で不公平が生じていることは否めませんね。どのような改善策が推し進められることになるのか、今後の動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<白書、年次報告書/平成29年版厚生労働白書>
http://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/hakusho/