【人事労務ニュース】 法定雇用率達成企業の割合は42.7%と前年より減少
平成25年4月より障害者の法定雇用率が1.8%から2.0%(民間企業の場合)に引き上げられましたが、現在、この法定雇用率の今後の更なる引き上げが検討されています。これに関連し、平成25年11月に厚生労働省より「平成25年障害者雇用状況の集計結果」が発表されましたので、今回は、その中から民間企業での障害者の雇用状況について取り上げましょう。
1.法定雇用率達成企業の割合等
平成25年4月の法定雇用率引き上げにより、今回の調査から新たに従業員数50人から56人未満の規模企業が障害者雇用状況報告の報告対象となりました。実際に、企業に雇用されている障害者の数としては408,947.5人で、前年より26,584.0人増加しています。この障害者の内訳は以下のようになっており、特に精神障害者の伸びが大きくなっています。
身体障害者 303,798.5人(対前年比4.4%増)
知的障害者 82,930.5人(同11.0%増)
精神障害者 22,218.5人(同33.8%増)
実雇用率については1.76%となり前年の1.69%から増加していますが、法定雇用率を達成している企業の割合については42.7%と前年の46.8%を下回る結果となっています。また、今回の調査から新たに報告対象となった従業員数50人から56人未満の規模企業で、法定雇用率を達成している企業の割合は34.5%でした。
2.法定雇用率未達成企業の数
次に、法定雇用率未達成企業の数を見てみると全体で48,901社となっており、従業員数56人から100人未満と100人から300人未満の企業がその大半を占めています。また、今回の調査結果では従業員数の区分ごとに不足数(法定雇用率を達成するために、現在の雇用障害者数に加えて雇用しなければならない障害者の数)が細かく示されており、従業員数100人から300人未満では「1.5人又は2人」不足している企業数が多くなっています。そのほか、障害者の数が0人である企業数は29,147社と法定雇用率未達成企業全体の約60%となっています(下表参照)。
表 法定雇用率未達成企業の数
区分 | (1)法定雇用率未達成企業の数 | (2)不足数(法定雇用率を達成するために、現在の雇用障害者数に加えて雇用しなければならない障害者の数) | (3)障害者の数が0人である企業数 | |||||||
0.5人 又は1人 | 1.5人 又は2人 | 2.5人 又は3人 | 3.5人 又は4人 | 4.5人以上 9人以下 | 9.5人以上 20人以下 | 20.5人以上 50人以下 | 50.5人以上 | |||
50〜56人未満 | 3,585 | 3,585 | 3,474 | |||||||
56〜100人未満 | 18,089 | 18,089 | 17,521 | |||||||
100〜300人未満 | 18,912 | 7,136 | 8,878 | 2,281 | 530 | 87 | 8,081 | |||
300〜500人未満 | 3,848 | 888 | 912 | 797 | 705 | 546 | 65 | |||
500〜1000人未満 | 2,669 | 480 | 492 | 494 | 467 | 694 | 42 | 6 | ||
1000人以上 | 1,798 | 183 | 210 | 197 | 239 | 644 | 249 | 67 | 9 | 0 |
全体 | 48,901 100.0% | 30,361 62.1% | 10,492 21.5% | 3,769 7.7% | 1,941 4.0% | 1,971 4.0% | 291 0.6% | 67 0.1% | 9 0.0% | 29,147 59.6% |
今後更なる法定雇用率の引き上げが予想される中、企業としては1人でも障害者を雇用していくことが求められます。最寄りのハローワークが開催する雇用セミナーに参加するなど計画的なアクションをとっていきましょう。
■参考リンク
厚生労働省「平成25年 障害者雇用状況の集計結果」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000029691.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。