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【医療福祉業界ニュース】 改正医療法 医療法人の透明性を追求

 改正医療法が9月16日の参院本会議で可決し、成立しました。今回の改正の柱は「地域医療連携推進法人制度の創設」と「医療法人制度の見直し」の2つ。ここでは後者について詳細に注目します。


医療法人の透明性を追求


 医療法人は、厚生労働省令で定めに従って適時に正確な会計帳簿を作成し、会計帳簿及び事業に関する重要な資料を会計帳簿の閉鎖の時から10年間保存することが義務付けられます(改正医療法第50条の2)。

 また、医療法人は、これまで作成が義務付けられてた事業報告書、財産目録、貸借対照表、損益計算書に加え、関係事業者(理事長の配偶者がその代表者である等の医療法人や、役員と特殊関係ある者)との取引の状況に関する報告書の作成も義務付けらます(第51条第1項)。

 これらの書類(以後「事業報告書等」)は監事の監査を受けます(第51条第4項)。貸借対照表と損益計算書については、作成から10年間保存しなければなりません(第51条第3項)

 これらの事業報告書等は、監査の後、理事会の承認を受け(第51条第6項)、社団たる医療法人の場合は社員総会に、財団たる医療法人の場合は評議員会に提出、報告し、承認を受けることになります(第51条の2)。


※なお、一定の医療法人(事業活動の規模等を勘案して厚生労働省令で定める基準に該当する法人)については、

(1)貸借対照表、損益計算書を作成にあたり厚生労働省令で定める会計基準に従うこと(第51条第2項)
(2)財産目録、貸借対照表、損益計算書について、公認会計士または監査法人の監査を受けること(第51条第5項)
(3)公認会計士等の監査報告書を都道府県知事に届け出ること(第52条)
(4)厚生労働省令に従って公告すること(第51条の3)

も義務付けられています。


 たとえば監事監査についてはこれまで医療法上規定がなされていなくとも、モデル定款などにおいて記載され、実務上はすでに行われています。本法において規定された、ということは重要なことでもありますので、改めてご確認ください。