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【労働法】 副業・兼業などのガイドラインの案を示す(厚労省の柔軟な働き方に関する検討会)

 厚生労働省から、平成29年11月20日に開催された「第4回柔軟な働き方に関する検討会」の資料が公表されました。
 今回の議事は、「雇用型テレワーク、自営型(非雇用型)テレワーク、副業・兼業のガイドライン案等について」ということで、次のようなガイドラインの案などが示されています。
●情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン(案)
●自営型テレワークの適正な実施のためのガイドライン(案)
●副業・兼業の推進に関するガイドライン骨子(案)
 
 特に注目されているのは、「副業・兼業」です。
 これについては、厚生労働省のモデル就業規則の改定の方向性も示されており、労働者の遵守事項における副業・兼業に関する規定(「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」)を削除の上で、次のような条項を置く案が紹介されています。
・労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
・労働者は、上記の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
 なお、副業・兼業時の就業時間の把握については、ガイドラインの骨子案において、「企業が労働者の自己申告に基づいて就業時間を把握し、長時間労働の抑制や健康管理に努める」といった方向性が示されています。
 
 副業・兼業のモデル就業規則の改定の方向性などについては、報道機関も積極的に取り上げており、『検討会から意見を求められた有識者委員から、「企業が労働時間を管理することは不可能だ」などと、ガイドラインの骨子案の問題を指摘する意見が噴出。労働者の安全確保で、本業と副業のどちらの企業が責任を負うかなど、現在の労働法制では不明瞭な点が多いとの声もあった』などと報じられています。
 
 政府は、人手不足の対応や働き方改革の切り札として、テレワークや副業・兼業を推進したい構えです。しかし、各企業の現場からみれば、いずれも、管理が難しい制度で簡単に導入できるものではありません。
 理想と現実とのギャップをどう埋めていくかが、今後の課題と言えそうです。

 今回の検討会の資料については、こちらをご覧ください。
<第4回柔軟な働き方に関する検討会/配布資料>
≫ http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000185391.html